現場で働く訓練士やトレーナーにとっては、実はそこまで大きな差ではありません。しかし、日々犬と向き合っていると、この二つには確かに“微妙なニュアンスの違い”があると感じる場面が多くあります。今回はその違いについて、少し整理してみましょう。
しつけとは、日常生活をスムーズに送るために必要なことを教えることです。
無駄吠え、トイレ、散歩のマナーなど、家庭での生活に直結する行動が中心になります。
一方で訓練とは、「お座り」「ふせ」など、指示に応じて行動できるようにすることを指します。
行動を意図的に教え、確実に実行できるようにしていくプロセスです。
この二つはまったく別物というわけではなく、切っても切り離せない表裏一体の関係です。
多くの飼い主さんが求めているのは「しつけ」(無駄吠え、粗相などの改善)ですが、しつけだけを進めて訓練をまったく行わないというのは、実はうまくいかないことが多いのです。
しつけの土台があるからこそ訓練がスムーズに進み、
訓練で身につけた行動があるからこそ、しつけが安定していきます。
訓練士やトレーナーは、訓練としつけの関係性や重要性を深く理解しているため、あえて言葉にして分けることはあまりありません。この感覚は、実際に現場で犬と向き合う中で自然と身についていくものです。だからこそ、皆さんは現場に出る前の準備として、今のうちにしっかり学んでおきましょう。
犬のトレーニングは「最終的にその子ができるようになること」が目的です。
そのため、“この方法はダメ”“この方法だけが正しい”という絶対的な答えはありません。訓練士やトレーナーは、数ある教え方の中から、その犬に合った方法を選び、試し、調整しながら進めていきます。
ただし、その選んだ方法が常に正解とは限りません。プロであっても、手探りで試行錯誤することは日常です。だからこそ、訓練士やトレーナーは毎日自己研鑽を続けています。経験を積み重ねる中で、「この子にはこのアプローチが合う」という判断が少しずつ磨かれていくのです。
犬と向き合う時間が増えるほど、訓練としつけの関係が少しずつ見えてきます。今はその準備期間として、ゆっくり理解を深めていきましょう。

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