僧帽弁閉鎖不全症(MVD/MMVD)は、小型犬にとても多い心臓の病気です。
特にシニア期に入ると発症しやすく、トイプードル・マルチーズ・チワワ・ポメラニアンなどでよく見られます。
難しい名前ですが、簡単に言うと
“心臓の弁がしっかり閉まらなくなり、血液が逆流してしまう病気”です。
🫀 心臓の中で何が起きているの?
心臓には4つの部屋があり、その間に「弁」がついています。
僧帽弁はそのうちのひとつで、血液が逆流しないように“フタ”の役割をしています。
しかし、この弁が年齢とともに変形したり弱くなったりすると…
- しっかり閉まらない
- 血液が逆流する
- 心臓に負担がかかる
という状態になります。
これが僧帽弁閉鎖不全症です。
🐶 どんな症状が出るの?
初期はほとんど症状が出ないことが多く、
動物病院での聴診で「心雑音があります」と言われて気づくケースがほとんどです。
進行すると、次のような症状が見られることがあります。
- 咳が増える(特に夜や朝方)
- 運動を嫌がる、疲れやすい
- 呼吸が早い・苦しそう
- 舌や歯茎が紫っぽい
- 元気がない
- 食欲が落ちる
これらは心臓に負担がかかり、肺に水が溜まり始める「心不全」のサインのこともあります。
🩺 どうして起こるの?
主な原因は加齢による弁の変性(老化)です。
遺伝的な要素も関係していると言われています。
- 小型犬に多い
- シニア期で発症しやすい
- 遺伝的な体質が関係することも
完全に防ぐことは難しい病気ですが、
早期発見と適切な治療で進行を遅らせることができます。
📊 病気の進行段階(ステージ)
僧帽弁閉鎖不全症は、進行度によってステージが分けられます。
- ステージB1: 心雑音はあるが、心臓の形は正常
- ステージB2: 心臓が大きくなり始める(治療開始の目安)
- ステージC: 咳や呼吸困難など、心不全の症状が出る
- ステージD: 重度の心不全で治療が難しい段階
特にB2で治療を始めると寿命が延びることがわかっています。
💊 治療はどうするの?
僧帽弁閉鎖不全症は、
お薬で進行を遅らせ、心臓の負担を減らす治療が中心です。
- 心臓の働きを助ける薬
- 血圧を調整する薬
- 体の余分な水分を出す薬(利尿剤)
- 咳を和らげる薬
症状やステージに合わせて処方されます。
※手術(弁形成術)ができる病院もありますが、
高度医療であり、すべての子が対象になるわけではありません。
🏠 おうちでできるケア
治療と同じくらい大切なのが、日常生活の管理です。
● ① 体重管理
太ると心臓に負担がかかります。
適正体重をキープしましょう。
● ② 激しい運動は控える
散歩はOKですが、走らせすぎないように。
● ③ 咳や呼吸の変化をチェック
「いつもと違う」を早めに気づくことが大切です。
● ④ 定期的な検査
- 聴診
- レントゲン
- 心エコー
- 血圧測定
これらで進行具合を確認します。
❤️ まとめ:早期発見と継続的なケアがとても大切
僧帽弁閉鎖不全症は、
小型犬にとても多い“年齢とともに進行する心臓の病気”です。
- 初期は症状が出にくい
- 聴診で見つかることが多い
- お薬で進行を遅らせることができる
- 生活管理で負担を減らせる
- 早期発見が寿命に大きく関わる
「心雑音があります」と言われても、
すぐに不安になる必要はありません。
大切なのは、定期的に検査を受け、早めにケアを始めることです。
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